高圧ガスのお仕事 その⑦

私たちの生活の中では、たくさんのガスが使われています。
今回は、家庭や飲食店など、身の回りで使われているプロパンガスの活用についてお話させていただきます。

現在、一般的な住宅には給湯やガステーブル(コンロ)などの熱源には、プロパンガスもしくは都市ガスが多く使われています。
もちろん、最近はオール電化の家も多くなり、ガスを使用されていない方も多くなってきているかもしれませんね。

さて、都市ガスとプロパンガス(LPガス)の違いを簡単に説明させていただきます。

1つめは、供給方法が違います。
都市ガスは、水道や電気と同様に町全体を共通の配管で供給され各家庭へ分配されます。
住宅や商業施設などが密集している場所を都市と総し、都市ガスと呼ばれています。
それに対してプロパンガスは、各家庭個別にボンベを配置し単独で使用されるため、自立・分散型エネルギーと呼ばれています。
プロパンガスは、都市ガスよりもシンプルな仕組みで、災害時の復旧が都市ガスや電気よりも早いのが利点です!

2つめは、熱量が違います。
都市ガスとプロパンガスは主成分が異なり、都市ガスよりもプロパンガスの方が2倍熱量が高く、
ラーメン店や居酒屋など、火力が必要な飲食店で多く使われています。
また、家庭でガスといえばコンロを思いつくかもしれませんが、給湯器や乾燥機など様々なところでガスは使用されています。
熱量の違いをいかし、一般家庭ではガス給湯のエコジョーズや衣類乾燥機などで活躍しています。
ガスコンロなどの機器は、都市ガス用とプロパンガス用がありますので、ホームセンターでの購入の際はご注意下さい。

『プロパンガスは災害に強い』
供給方法の違いでも説明したように、プロパンガスは災害が起こった時も、物件毎でのガス遮断となることで被害を最小限に抑え、
調査・点検を1戸単位で行なうことができるため、迅速な復旧が可能です。
また、容器の配送ルートを確保出来ればガスを供給出来るため、避難所などへの燃料供給にも臨機応変に対応できるメリットもあります。
東日本大震災の時も、都市ガスより12日、電力より何と58日間も早く完全復旧を遂げました。
点検や復旧が早いプロパンガスは、避難所はもちろん、「病院」「学校」など公共性の高い施設にも適したエネルギーです。

現在、地球上では大気汚染や地球温暖化よるによる気候変動、 酸性雨そしてオゾン層の破壊など地球環境の破壊が大変な問題となっています。
先日の米国主催気候変動サミットでも、『脱炭素社会の実現』に向けて温室効果ガス排出量を、2030年に2013年比で46%削減の目標掲げていました。
LPガスは、石油や石炭・天然ガスのなかでも二酸化炭素の量が少なく、硫黄酸化物や窒素酸化物などの酸性雨の原因をほとんど発生させないことから、
地球にやさしいエネルギーと言われています。
「エコジョーズ」の普及でLPガスの需要が増えることによって、国全体のCO2排出量が最大で約1,030万トンのCO2の削減につながります。

全てにおいて便利な電気だけではなく、熱効率の良いプロパンガスを合わせて利用することで、
停電などの小さな不安から、地震などの大きな災害まで対応できるように準備をしていきましょう。
プロパンガスや太陽光などのクリーンエネルギーの活用で、エネルギーの自給自足を行う事で、より強固な街づくりに役立ちます。

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